前回のブログから1年半。前回に書いた内容に補足しておきたいことも増えてきましたので、再びこのページを開くことにしました。
現在も、治療は続いています。炎症箇所は、かなり絞り込まれてピンポイントになってきました。しかし、それがあちこち「逃げ回る」感じで、なかなか追い込めていないというのが実情です。とはいえ声はかなり出しやすくなりました。うまく表現できませんが、「声帯を閉めやすく」なった気がします。しかし、長い時間続けて歌ったり話したりすると、炎症箇所から声が枯れてくるのは相変わらずで、まだまだ油断はできません。
リバース鼻うがいの是非
リバース鼻うがいに関しては、Twitterでもいくつか反対意見をいただきました。実際、その都度口腔内を殺菌していても、鼻へのリスクを完全に避けることはできず、軽い副鼻腔炎を繰り返し、一度は、かなり拗らせてしまいました。とはいえ、上咽頭の隅々まで洗えるメリットも捨てがたく、現在は両方を炎症箇所に応じて、併用しています。リバースで徹底的に上咽頭を洗ったら、その後は、ノーマルで鼻腔を洗う... 面倒ですが致し方ありません。
ノーマル鼻うがいで上咽頭の隅々まで洗える方法があれば、それがベストなんですが...
下鼻甲介後部からの後鼻漏
その後、セルフEATにも挑戦。どうにか経鼻はできるようになったのですが、そこで、下鼻道の天井奥の突き当り、つまり下鼻甲介内側の後部上方が腫れ上がってぎゅうぎゅうに詰まっているのを発見。下鼻道そのものは開いているので全く気が付がなかったのです。早速先生にもお願いして叩いたのですが、これがかなり大きなブレイクスルーになりました。Twitterのフォロワーさんに教えていただいたのですが、聖路加国際病院のホームページに、下鼻甲介後部の肥大が難治性の後鼻漏を引き起こしているという症例が報告されています。(図34、35) 私の場合、ここに紹介されている症例のような顕著な肥大はありませんでしたが、後鼻漏がなかなか収まらない場合は、確認したほうが良い部位かもしれません。
塩化亜鉛の代替としての「ミョウバン」
重ねて申し上げますが、医学的なエビデンスも安全の保証もありません。試される場合はあくまで自己責任で慎重にお願いします。
通常のEATで使う塩化亜鉛は、普通に買うことはできません。ネットのどこだったか出典は失念してしまいましたが、「収斂作用のあるものなら、塩化亜鉛でも硝酸銀でもなんでもいい」という記事があったのを思い出し、収斂作用があって入手しやすく口に入れても大丈夫なもの、ということで「ミョウバン」を試してみました。ミョウバンは漬物やベーキングパウダーなどにも入っており、田舎のスーパーでも入手しやすく、これが代わりになるのなら救世主です。まず、手作りコスメの汗止めなどに使う「ミョウバン水」(約3〜5%の飽和水溶液)を作り、それでEATしてみたところ、たしかに効果があることを実感。上述の下鼻甲介の炎症はこれでかなり抑えられました。すっかり浮かれて、しばらくの間、鼻うがいにもミョウバンを加えていたのですが、数ヶ月後、嗅覚が弱っていることに気づき、鼻うがいに入れるのは中断。ただ、嗅覚障害は副鼻腔炎の影響である可能性も高いので、今となってはどちらが原因かは分かりません。
いずれにしても、衛生管理に無頓着なままセルフEATを繰り返したことも、副鼻腔炎の一因になったと反省し、現在は行っていません。ただ、ミョウバンの効果については、いつかどこかで検証してもらえたらいいなぁと思っています。
粘液を引き剥がす「キシリトール」
鼻うがいは、ずっと3%の塩水で続けていたのですが、状態によってはむしろ刺激が強く粘液が増えているように感じていました。NeilMedから新しくキシリトールを使った商品がでていることを知り、その配合を真似て塩1%+キシリトール2%の鼻うがいを試してみたところ、刺激が少なく、それでいて粘液を取る力は塩3%と遜色ないことが分かりました。キシリトールによる鼻うがいは鼻の手術の後にも効果的と韓国の病院から論文も出ています。うがい液が甘しょっぱいのが最初は違和感ありますが、「雪の宿」が食べられる人なら、じきに慣れるかと。あくまで私の体感ベースですが、粘液が多いときは塩1%+キシリトール2%、ヒリヒリ感が強いときは塩3%という目安で使い分けています。
治療を初めて4年半。まさかこんな長い付き合いになるとは思ってもみませんでした。コロナ後遺症の治療で話題になったこともあり、当初に比べれば、随分EATの知名度は上がったと思います。Twitterでも多くの方が頑張っているのを見て励まされています。完治を目指してともに頑張りましょう。